 |
 |
「運送業というのは、極端な話、トラック1台の採算がとれれば、それで成り立つ世界なんですよ」と彼はいう。親の運送業を見て育ち、18歳で免許を取得して当然のごとくトラック運送のドライバーの道を歩み出した。
「近畿ロジックス」は小口集配の会社である。「大阪府下でネットワークを拡げて軽トラックを中心とした共同集配をめざしているんです。いまやトラック輸送は、人々の生活に非常に密接でしょ。テレビ・カタログ通販での需要はもちろんのこと、贈り物や産直品など、日常生活とは切り離せない存在になってきました。また企業間での荷物の動きも、自社で運ぶよりも我々に委託するほうが速くて、しかもよけいな経費がかからなくても済みます」。
かつては鉄道が輸送の主役であったが、現在はトラック輸送であり、郵便局で多くを扱っていた小口の荷物も、いまやトラックによる宅配がイニシアチブをとっている。「でも大手の宅配業者は、システムでしか動けませんでしょ。そこに我々の生きる道があるんですよ。あくまでも地域密着で、個別の集配を心掛ければいいわけです。B
to B、いわゆる企業間においてもボルト1個から受け付け、大阪市内なら即日集配ができるようにしました。引っ越しも、ネットワークが生かされ、専門業者との連携で対応できます」。
彼は近畿ロジックス以外にも別の運送会社を経営している。「僕はオーダーメードの運送業が目標です。その一つが小口集配で、近畿ロジックスというわけです。別会社では、建築関係の企業と契約して資材の専用輸送をおこなっています。こちらは企業に対する個別対応の形ですね。オーダーメードの運送というのは、つまり、いろんなところでお会いするすべての人がお客さまになります」。
運送の仕事は、ユーザーに応じて「ネットワークを生かしたりすれば、どんどんクリエイトできる」らしい。しかもコストダウンも可能になるという。その柔軟な対応力は、彼の「やってみまひょ」という積極姿勢にある。これはいけそうだと思えば、とにかく実際に取り組んでみるそうだ。「最初から無理なことは別にして、まずやってみることが肝心。そうすると見えてくるもんがあるんです。それがビジネスとして、形になってくるんです」。そんな姿勢は、オフタイムのときにも発揮されている。
精力的に働く忙しい日常を過ごしている彼だが、休みの日でもごろ寝を決め込むということはしない。「じっとしているのがダメなんですね」と、出掛けて近所のお寺を散策したりするという。出張で遠方へ行っても、時間ができれば歴史散策などもする。「好奇心が旺盛なのか、見たことが無いものは、仕事の合間をぬって足を運びます」。そして、携帯電話のカメラでおさめてくる。「あらためて、世の中には知らないものがいっぱいあるなと思いますね」。
仕事が趣味という彼が、疲れ知らずで働けるのは、この好奇心によるところが多いのではないだろうか。仕事も余暇の過ごし方も、基本コンセプトは同じなのだ。「仕事だからと改まって考えないのがいいんじゃないですか」と彼は、人なつこい顔で笑いかける。 |
|